「書く・聞く」キャリア

広報ってどう始める?現役フリーランス広報が語る“はじめの一歩”

佐伯有加里

「広報って、どうやって始めたらいいの?」

そんな悩みを抱える人は少なくありません。とくにフリーランスという働き方を選んだ場合、その一歩目は不安や迷いがつきものです。

今回は、企業広報から独立して半年を迎えたばかりのみかんぬさんと、広報の仕事を主軸に活動している株式会社FLOW代表・多葉田愛さん(以下、あいさん)による対談をお届けします。

広報として、そしてフリーランスとして、どのように最初の仕事を得て、何を大切にしてきたのか。そのリアルな実体験から見えてきたのは、「完璧な準備がなくても始められる」広報という選択肢でした。

“書く仕事”を軸に、これからのキャリアを模索するあなたにこそ届けたい対談です。

みかんぬ広報・編集者

新卒で入社したIT企業でBtoB営業を担当する。その後、カンボジアで屋台経営を経験し、帰国後にランスタッド株式会社で広報を担当。2025年に独立し、広報・編集者として企業の伴走をしながら、個人を対象にキャリアカウンセリング、自分と対話する1on1ワークなどのサービスを提供する。

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多葉田愛(あい)株式会社FLOW代表取締役

新卒で株式会社UDSに入社。その後、ワーキングホリデーを利用し、オーストラリアを拠点にフリーランス生活を送る。帰国後、株式会社TABIPPOに入社し、セールス・マーケティングを担当。 2023年に独立し、株式会社FLOWを設立。伴走型の広報支援と、書く+αのスキルが身につく「Marble」のスクール事業を展開。

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“背中を押す立場”の自分が、動けていなかった

あい:
今年独立されたばかりのみかんぬさんですが、フリーランスになったきっかけを教えてください。

みかんぬ:
もともと「30歳になるタイミングで、新しいことをしたい」と考えていました。最初は転職するつもりだったので、いろいろな会社にカジュアル面談を申し込んだり、履歴書や職務経歴書をアップデートしたりして。

今までやってきた広報のスキルと興味のある分野を掛け合わせて転職できないかと試行錯誤する過程で、今の自分が挑戦したいことが明確になりました。「試しに、フリーランスやってみようかな」という気持ちで独立することにしたんです。

あい:
独立当初から、フルパワーで動き回られているイメージがありました。会社員からフリーランスになると決断したとき、怖くなかったですか?

みかんぬ:
めちゃくちゃ怖かったし、実は今も怖いです。

当初は副業から始めて、自分の生活が賄えるくらいの副収入を得てから独立しようと思っていたのですが、その手順を経ずに独立に踏み切ったのは、自分に対して矛盾を感じたからです。

普段キャリアカウンセリングで、「あなたならできる」と人の背中を押している自分が、“できない理由”を並べて足踏みしている。「それって、おかしくない?」と思いました。

小さく試し、最悪を想定する。独立前の“やってみる”準備

あい:
みかんぬさんは独立に向けて、どのような準備をしましたか?

みかんぬ:
まずは、興味のある分野で、副業でもいいから経験してみました。やってみないと向き不向きがわからないこともあるし、仕事の内容や報酬なども具体的にイメージできるようになるのでおすすめです。

あい:
私も会社員時代に副業から始めて、小さく挑戦しました。自分の得意領域や求められていることを知るためにも、小さくトライアル&エラーを回していくのは大事ですね。

みかんぬ:
次に、生活費として最低限必要な収入を算出しました。たとえば、月に最低限30万円必要だとしたら、「どうしたら、自分のスキルで30万円稼げるか?」 と具体的に想像してみるんです。

もし、仕事の単価感がわからなかったら、自分がやりたいと思っていることをすでに仕事として収入を得ている人に、「その仕事はいくらでやっているんですか?」と直接聞いてしまうのも、ひとつの手です。「話せる範囲で」と前置きしておけば、意外と教えてもらえますよ。

それから、最悪の状況を想定しておくことも重要です。「最悪、会社員に戻ればいい」「アルバイトをすればいい」など、あらかじめイメージしてマイナスの覚悟を持っておくことで、「どうなってもいいや」といい意味での諦めがつきます。

独立宣言と肩書きの表明。実績ゼロからの仕事獲得法

あい:
フリーランスとしての実績がないところからのスタートだったと思いますが、どのように仕事を獲得していったのですか?

みかんぬ:
独立して最初にやったことは、noteにも書いた通りで、3つあります。

フリーランス1ヶ月目の売上とやったことを全部かきました
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駆け出しフリーランスの2ヶ月目の売上と、会社員の頃からの変化をまとめてみた
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まず、人に会える“キット”を用意しました。これまでの実績を棚卸ししてポートフォリオにまとめて、名刺を作ったんです。

2つめは、noteでフリーランスになったという宣言をしました。身近な人やお世話になった方たちには、個別でお知らせをしました。

3つめは、積極的に人に会いに行きました。SNSで声をかけてくださった方にDMを送って直接話したり、交流会に参加したり、1ヶ月で40人ぐらいに会ったと思います。 

あい:
たしかに、どれも大事な行動ですよね。私もフリーランスになったときは、SNSで宣言しました。

フリーランス初期は実績はないけれど、人柄を知ってくれていたり、会社員時代の経験を買ってくれたりしている知り合いから仕事につながりますよね。また、フリーになったのを機に依頼してくださる方もいるので、肩書を表に出しておくのも重要だと思います

みかんぬ:
私はいろいろな肩書きがあるので、何を掲げるべきか悩んで。 絞りきれずに、結局「広報・編集者」にしました。 

あい:
最終的にどのような視点で、その肩書きを選びましたか?

みかんぬ:
個人を対象にした仕事ももちろんやっていきたいのですが、クライアントワークもやりたいと思っていて。私には、広報や編集者という企業を対象にできるスキルがあるので、その業務の比重を大きくしようと考えました。それで、広報と編集者という企業向けの肩書きにしたんです。

あい:
なるほど、そういう考えで選んだのですね。営業やブランディングを考えたとき、どのキーワードで第一想起を獲得するかはとても大切で、 肩書は試行錯誤できるポイントですよね。

だれでも棚卸しをすると、仕事につながるものはあると思います趣味も発信を続けていると、そこから仕事の依頼が来ることもあるんです。私にとって旅は趣味のひとつですが、実際に仕事につながっています。

最初の一歩としての、“コミュニティ参加”と“自主企画”

あい:
最後に、これからフリーランス広報を目指す人へ最初の一歩を踏み出すためのアドバイスをいただけますか?

みかんぬ:
まずは、コミュニティに入ることをおすすめします。仲間をつくったり、フリーランスの解像度を上げられますから。私は、社会人2年目の頃に入ったコミュニティで、フリーランスや起業している人が意外とたくさんいることを知りました。自分のなかに会社員以外の選択肢ができたんです。

フリーランスになろうと思っても、最初は「なにから始めたらいいのかわからない」と悩む人も多いはず。コミュニティに所属していると、すでにフリーランスとして活動している人がいて…。近くでその働き方を観察できるので、具体的にイメージしやすくなります。

それに、一緒にがんばれる仲間がいるのは心強いですよね。1人でがんばらないことも大事。「応援しあえる仲間と出会える」という意味でも、コミュニティに入るのはいいと思います。

あい:
たしかに、フリーランスでも心が折れることはあるので、ときには愚痴ったり、困ったときに相談したりできる仲間の存在は大きいですよね。そういう仲間づくりも、最初の一歩として大事なことかもしれません。 

みかんぬ:
コミュニティに入るメリットでいうと、ほかにもあって。たとえば、未経験で広報の仕事をしたいと思ったときに、初めから企業広報に携わるのは難しいかもしれませんが、コミュニティで運営や広報のお手伝いをしてみることはできるかもしれません。

最初はちょっとした仕事のお手伝いでも、「気づいたらコミュニティの運営や広報を担当していた」なんてこともあり得ます。

もう1つアドバイスするとしたら、自主企画をやることです気になる人に話を聞いて記事にするのは、実務経験がなくても十分できることですよね。喜んで引き受けてくれることも多いので、クレジットを載せてもらえれば、それだけで宣伝と実績になります。

スキルを使って実績を得るところから始めるのもいいと思いますよ。 

あい:
コミュニティと自主企画は私もおすすめだと思います。私が共同運営している「Marbleコミュニティ」でも提案は大歓迎ですし、みなさんの実績につながったら嬉しいです。

***

今回の対談では、おふたりが経験を通して学んだことや実際に取り組んできたことを具体的にお話しいただきました。

​​広報という肩書きに明確な正解はありません。だからこそ、おふたりが語ってくれた「小さく始めてみること」「経験しながら輪郭を描いていくこと」は、フリーランスとしてキャリアを広げたい人にとって、大きな学びになるのではないでしょうか。

まさにフリーランス広報としてスタートされたばかりのみかんぬさんに語っていただいた内容は、どれも実践的な内容ばかりでした。これから新たな職域でフリーランスに踏み出す方にとって、ひとつの道標になれば幸いです。

〈執筆=コッチ (@a_w_kojima)/ 編集=ゆかりーぬ(@merryyyyyysan)〉

みかんぬさんもコミュニティへの参加をおすすめされていましたが、Marbleはスクールだけでなく、コミュニティも運営しています。インタビュー・編集・広報のスキルアップを目指し、自分らしいキャリアを描く伴走型のコミュニティです。

Marbleコミュニティは、毎月1〜7日まで「限定5名」で新メンバーを募集しています。

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